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2014年11月の記事は以下のとおりです。

冬の訪れは、もうそこに

こんにちは。

ここしばらくは、暖かくて、そのせいか昨夜は雨振り。
ひと雨来るたびに、冬の気配は濃厚になっていきます。

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暗くなるのが本当に早くて、自然と家路を急いでしまうような。

窓からこぼれる灯りを見て、ほっと心が和むような。

紅茶やそれにまつわるものたちが、一層愛おしく感じられる、
そんな季節です。


先日、イギリス各地を周遊して、その土地土地でお茶や
食事をいただいて帰国しました。

いずれも地産の素晴らしい素材を生かした、
地域色の強いものばかり。
それぞれの特徴ははっきりとありますが、
全体としてとても印象に残ったこと。


それは、小麦、小麦粉というものに対する、真摯な姿勢。
敬意さえ感じられるほどの印象を受けました。


ご存知のように、イギリスはとてもパンを大切にします。
その典型がブレッドプディング、そしてそのスペシャルバージョン
である、クイーン・オブ・プディングです。

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グルマンの国、フランスから見れば、
ともすれば“質素”とされるようなお菓子

クラシックなプディングの一種、アップル・ブラウン・ベティは
リンゴにパン粉のクランブルを振りかけて焼いたもの

お茶のお供のティー・ケーキは、今の私たちから見れば、
ただレーズンパンに過ぎないかもしれません。


少ない期間で回るには驚異的な数のティールーム、そこには必ず、
ヴィクトリア・スポンジ(サンドウィッチ)・ケーキが
さも女王然とした佇まいで我々を誘惑します。

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これもバターケーキ生地にいちごジャム、
近年はバターリッチなクリームを一緒にサンドしただけのもの

華やかなパティスリーを見慣れた目には、なんて素朴な、と
映ることでしょう。

でもどれも、しみじみ美味しい。


熱い紅茶と一緒だと、最上のくつろぎに満ちた美味となります。
寒い冬や、人生の海に揺られている時に、この美味ほど、
心をあたためるものはないのではないでしょうか。
麦穂を大切に、愛情を持って接するからこそ、このようなお菓子が
ずっと不変に、愛され続けるのだと思います。

その胸が熱くなるような、想いや愛情が忘れられず、
私は、帰国してからというものずっと、
ヴィクトリア・サンドイッチ・ケーキを焼いています。

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トリントンで心がけているのは、生地感を美味しい紅茶と一緒に
味わっていただくこと、お腹が満たされて心が満たされること

そして美しい茶器を使ってお茶を飲むことの素晴らしさを
感じていただくこと

この心がけに、このケーキはとても合うような気がします。


そしてその興奮冷めやらぬまま、
今度は短い期間ですけれど、パリへ。


こちらは変わって自炊中心なので、どんな新鮮な素材に出会えるかが、
とても楽しみなのです。

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